【一言明言】

慎みと勇気

 「核兵器を持っている国は恐怖の論理から脱し、核兵器のない世界をめざす勇気を持たなくてはいけません」こう語ったオバマ米大統領の広島訪問は、概ね好意的に受け止められたようだ。だが、5月29日放映のフジテレビ「Mrサンデー」は、このオバマ氏でさえ、「核のフットボール」と呼ばれる、米大統領が司令部をはなれたときでも核攻撃に許可を出せる装置が入ったブリーフケースを随員に携行させて平和公園を訪れた姿を映していた。
 被爆者の多くが、オバマ氏に謝罪を求めなかったとも多くのメディアは報じている。だが、そのことが原爆投下を決して赦したわけではないことをかみしめるべきだ。壮絶な体験が、争いのない社会を創造するために生かされることを願ってのものであると考えるべきだ。
 「度量と寛容。慎みと勇気。これらはすべて、あらゆる国と国との和解の、前提となる要素である」(5月28日・毎日) 世界で起きている紛争の多くに米国が直接、間接に関与している現実。同盟を標榜しつつ、過去に加害者でもあり被害者でもあった日本が、そこに足を踏み入れようとしている現実もある。大きな分岐点を迎えている。(6月1日)